ガンと告知されたとき
ガンと告知されたとき「死」が脳裏をかすめます。
それが早期ガン発見で手術をすれば問題ないといわれても、
ガンすなわち死、という思いが浮かぶのです。
日本人の死亡率の第一位がガンであり、死に直接結びつく病気で
苦痛をともなう恐ろしい病気というイメージがまだ多くの人に残って
います。
そして、いままで考えてもいなかった自らの死という現象が実体として
現れてくるのが、ガンの宣告です。
死を意識することはいつも意識する必要なないけれど、死から目をそむけて
はいけないと思います。
ガンといってもそのステージはさまざまです。
深刻に死を考えることなど見当ちがいな早期ガンもあり、
まったなしに死に直面せざるをえない進行の進んだガンもあり、
ガンと死の状況はさまざまです。
そして死は自分の身におこることです。
いま生きている自分に訪れる厳命な事実
死から目をそむけていると、今の生があいまいになってしまうのです。
治りにくい病気を克服するためには、まず絶対に生き抜くぞ、という強い信念が必要です。
しかしこれだけを考えていると執着になってしまいます。
生き抜くぞという心の中に、いつでも死ねるぞという気持ちを同居させることが必要で
この二つをバランスよく持つことです。
いき抜くぞという信念といつでも死ねるぞという諦念がまじりあっている精神状態が
必要なんです。